「会いたかった」というべきなのだろうか?

会いたいのに会えない、というわけではない。

ただ…怖いんだ。

彼奴が全て知ってしまうのが。

知らないで欲しい。お願いだ…忘れてくれ。


























第31話 目を閉じてあければすむ答えも目の前にあるのに...何故見えないの?






















「…クラインがせめてくる。お前はヒダカとともにいろ」

「…ちょっと…話すくらいは平気だよ!だって!」

「話せば長くなるし…俺も……あまり、話したくないんだ」


アスラン…。


「でも…クラインの人達アスランを殺そうとしているよ?」


君が殺されるなんて、嫌なんだ。

見ているだけは、嫌だから。


「…俺は殺されないから大丈夫。

 キラはヒダカのところにいてくれ。お前の方が危険だから」


俺は平気だから……本当に平気なの?


「でも…っ」

「あいつ等は俺とお前を勘違い(・・・)をしているんだよ」



(勘違い・・・?)



何…今の勘違いって……僕とアスランを…?


「それっ…どういうことなの?」

「俺とクラインの会話を…聞けばわかるはずだ」

「でもっ…その前に殺されちゃったらどうするの?!僕は、僕はそんなの嫌だよ!!!!」

「キラ・・・」


キラは泣き叫ぶ。

でも、俺にはどうすることも出来ない。

俺に言えるべきことなんてないんだ。


「御免。キラは、幸せになってくれ」

「――っ僕は、アスランと一緒なら幸せだよ?だって…今までずっと…!!!!」

「御免。お前を利用していて」


・・・・アス・・・・・・ラン?
















































「アスランは…キラに言うのだろうか」

「……言わないんじゃないですか?」


ニコルはちいさく呟いた。


「言わないか……アスランはいまだ、恐れているのか?」


ヒダカは困惑した表情だった。


「…さぁ。僕は彼の事は知りません。…恐れているのはヒダカ様の方なのでは?」

「そうだな。……キラには一杯一杯話さなくてはいけないな」


ヒダカは悔やむような表情をして、壁によっかかる。


「ミキの事、ライアの事、そして…キラ自身のことも」

「アスランの事はお話なさらないつもりなんですか?」

「アスラン自身にも、話していない事を、か?」

「………彼が何のために、キラに黙っていたと思うんです?」


ヒダカは顔色を変える。

『キラに隠していた事』を伝えるべきか否か…。

ヒダカもアスランも、口からだせずにいる。


「黙っていた…か………くくっ…クラインを欺く為に犠牲にされたのは自分(・・)だとも知らずに」

「ヒダカが言えば…キラもアスランも傷つけますね」

「……そうかもしれない」


傷つけるのが怖い。

傷つけてしまうのが怖い。

心の奥にしまいたい気持ちが…今も…。



































『キラに…伝えて』


彼女の涙が零れ落ちる。


『……幸せに…とはいえないから……』


言葉なんてしゃべらなくてもいいのに…。


『生きて………って……伝えて』


伝える……なんで……俺が……。


『…強く…信じて…生きて』


彼女は一生懸命伝えようとしている。

けれど、俺は…伝えなかった。


「…………なんだ、その驚いた顔は…」

「え…あ……その」


俺はお前が大嫌いだったから。


「俺がキラを裏切らない?キラに嘘をつかない?そんなの、あるわけないだろう・・?」

…本当の気持ちを隠していないと、保てない。

大好きな奴は大嫌い。

大嫌いな奴も大嫌い。

『好き』の意味を隠し通して――――――――………。


「お前の母親が死んだのは、俺がその後、殺したからだよ」

「………アスラン……何言っているの?冗談でしょ?」

「ミキを殺したのは…俺だ………お前も殺すぞ?殺されたくなかったら………去れ」

「―――っ…嫌だよぉ……」





誰か、嘘って……言って………















===============
後書き、31話!!!
===============
第31話!思いもつかなかったですよ、自分も。
何でこんなことになっちゃったんだろう?(笑)
もう、結構悪い人バンバンだしそう・・。
っていうか「あの人」も悪役にしたり良い人にしてみたり。
さて。クライン何時でるんだか;;
ネタが決まるまで・・このまま?!(ヲイ